Context: 暗記じゃない, 理解で増える語彙力 英単語ノート
コンテキストと語源を中心に
概要
過去の研究より、語彙力は、個人の成長、仕事の成功、知的発達と深く関わっています。フリアン工学研究所が数千人を対象に調査したところ、語彙力が高い人ほど収入も高いことが明らかになりました。研究所の所長は、「言葉は他者の考えを理解し、自分の思考を形づくるための道具である」と説明しています。つまり 豊かな語彙は、より深い思考と成功につながると言えます。(Norman Lewis, 2014) Normanによると、語彙は何歳からでも伸ばすことができるとしています。そのために必要なのは「言葉を覚えたい」という気持ちではなく、「新しい知識や考え方を学びたい」という意欲です。言葉は知識を表す道具であり、知識が増えれば自然に語彙も増えていきます。成功した人たちは語彙が大きかったから成功したのではなく、知識を身につけた結果、語彙も豊かになったのです。子どもが多くのことを吸収しながら驚くほど速く語彙を増やしていくように、私たちも新しい考えや言葉を学ぶことで成長し続けることができます。(Norman Lewis, 2014) [文脈 Context] 文脈(context)から語の意味を推測する力は、語彙学習や読解に欠かせない重要なスキルです。 語彙は授業だけでは全て教える時間がないため、推測できる力があれば、学習者は自分で語彙を増やすことができます。また、文脈の中で繰り返し語に出会うことで、意味の幅をより深く理解できます。さらに、推測できれば辞書を使う回数が減り、読書を中断せずに読み進められます。辞書を使う場合でも、まず推測することで適切な意味を選ぶ助けになります。推測には手がかりの解釈や意味の予測が伴うため、この力を伸ばすことは読解力の向上にもつながります。(D. F. Clarke & I. S. P. Nation, 1980) 本サービスでは、未知の英単語を文脈から推測し易くすることを目論見とし、例えば次のような因果関係(Clarke & Nation (1980)) を使用して構成した例文を掲載しています。 6, Cause-Effect, "because, since, as a result, thus, so that, in order to, consequently", A is the cause of or reason for B. [語源 Etymology] 語源のセクションでは、単語の意味を形づくるギリシャ語やラテン語の語根と、同じ語根をもつ関連語を学びます。関連する語をまとめて学ぶことで、多くの語を扱っても混乱せず語彙を広げることができます。(Norman Lewis, 2014) 例えば、inundateの語源セクション(下の画像参照)では、共通の語源を持つ関連語の意味も踏まえて、次のような内容が記載されています: inundate, surround, abound はいずれも、ラテン語の「波(unda)」という同じ語根からできた言葉です。inundateはin-(中へ)+ unda(波)から生まれ、波が中へ流れ込むように「洪水のようにあふれる/圧倒される」という意味になります。surroundはsur-(上・外側から)+ unda(波)に由来し、本来は波が上からあふれかかるニュアンスでしたが、そこから「四方から取り囲む」という意味に変化しました。aboundはab-(外へ・離れて)+ unda(波)が語源で、波が外にあふれ広がるイメージから「豊富にある」「大量に存在する」という意味になりました。現在の使われ方は異なっていても、いずれも「波があふれ広がる」という共通のイメージを語根に持っています。